
公正証書とは?
公正証書とは、公証役場(日本全国に約300か所近く存在する)で勤めている公証人とよばれる人たちが法令に基づいて作成する公文書のことです。
公証人のほとんどが、定年退職した元裁判官・元検察官・元法務省職員出身者であり、その高度な法律知識と30年以上という法律実務経験を基に、離婚に限らず、遺言や金銭の貸し借り、土地建物の売買・貸し借りなどの様々な取り決めや契約等を依頼者の求めに応じてそれらを公正証書に仕上げます。
離婚協議書と公正証書は何が違うの?公正証書を作るメリットって?
一言でいうと、強制執行力があるかないかです。そんなことを言われても、いまいちよく分かりません。
これは実際に相手が約束を守らなかった場合、目に見えて理解することができると思います。
まず離婚協議書では、約束を守らない相手にちゃんと約束を守ってもらうようにするためには、必ず裁判を起こさなければなりません。その裁判の過程で裁判官から「ちゃんと離婚協議書に□□さんは、○○さんに対して養育費を支払わなければならないと書いてますね、それだったら約束を守らない□□さんの財産(給料など)を差し押さえてもいいですよ!」という許可(確定判決)を得てから、強制執行手続きを執らなければならないのです。
時間はかかるし、手続きも面倒だし、費用もかかるし・・・、せっかく作った離婚協議書も結局は裁判を起こさなければならないという最大のデメリットが存在します。
これが公正証書(正式には離婚給付等契約公正証書)ですと、どうなるか?
公証人が作成した文書であるがゆえに、高い証明力が認められ、なおかつ、「約束を守らず、支払いを怠ったときには、直ちに強制執行に服する」旨の強制執行認諾文言を設けておけば、面倒な裁判を起こすこともなく、いきなり相手の財産を差し押さえて権利を実現することができるのです。
せっかく離婚協議書を作られるのであれば、公正証書にされたほうが後々安心です。
紛失したら?
大丈夫です。もし万が一、紛失や破損・劣化したとしても、公証役場で公正証書の原本を、原則20年間保存していますので、申請すれば再発行してもらえます。
もちろん、大事に保管しておくことが一番ベストなんですけどね。
ご自身で公正証書をお作りになられる場合の手続きについて
公正証書をお作りになられる場合の手続きは、わざわざ行政書士のような専門家に依頼されなくても、ご自身ですることも可能です。以下、その場合の手順について説明させていただきます。
(1) 夫婦間で離婚に際しての様々な問題や条件について話し合う。(大前提です)
※離婚意思の確認、親権者(監護権者)の指定、慰謝料・養育費の取り決め、などなど・・・
(2) (1)を書面化する(公正証書原案)
(3) 公証役場へ夫婦の二人で出向いて、公証人と協議を行う。
※原案の持参はもちろん、当事者本人であることを確認する身分証明書が必要です。
● 身分証明書の例
- 運転免許証と印鑑
- パスポートと印鑑
- 住民基本台帳カード(顔写真付き)と印鑑
- 印鑑証明書(6ヶ月以内のもの)と実印
のいずれかの組み合わせ
場合によっては、夫婦の戸籍謄本と不動産登記簿謄本などが必要となります。
(4) 公正証書の原本を確認後(読み聞かせ・閲覧など)、当事者の署名・捺印
※公正証書の正本1通と謄本1通を交付してもらえますので、強制執行をする側が必ず正本を受け取る。
公正証書作成手数料
公証人が、公正証書等を作成した場合の手数料は、政府が定めた「公証人手数料令」という政令により定められています。また、原則として、公正証書の正本等を交付する時に現金で支払うことになります。
| 目的の価額 | 手数料 |
| 〜100万円まで | 5,000円 |
| 〜200万円まで | 7,000円 |
| 〜500万円まで | 11,000円 |
| 〜1,000万円まで | 17,000円 |
| 〜3,000万円まで | 23,000円 |
| 〜5,000万円まで | 29,000円 |
| 〜1億円まで | 43,000円 |
| 3億円まで5,000万円ごとに13,000円加算 |
| 10億円まで5,000万円ごとに11,000円加算 |
| 10億円を超える場合は5,000万円ごとに8,000円加算 |
※慰謝料・財産分与の取り決め、または養育費の支払いを公正証書にする場合は、慰謝料・財産分与と養育費を別個のものと扱いますので、この場合はそれぞれの手数料を算定し、その合計額が公正証書作成手数料の額となります。
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