
養育費とは?
離婚した夫婦に子供がいる場合は、親権者とは別に養育費の問題も発生します。
そもそも養育費とは、その字のとおり子を養い育てていく為に必要な、つまり子が成長していく上で必要とされる生活費、医療費、教育費、娯楽費などの一切の費用を言います。
一般的には子を引き取った親が他方の親に対して請求する場合が多いのですが、本来は子自身が有する請求権です。
たとえ親がいったん養育費の請求を放棄したとしても、本来は子供が有する権利であることを根拠に、他方に対し改めて請求することができます。
つまり親である以上、親権の有無や実際に子供を引き取って養育しているかどうかに関係なく、子の為に養育費を支払わなければならない義務があるのです。
いつまでもらえる?
一般的には子が成人に達するまでとよく言われますが、一概には言えません。
成人に達していなくても、高校卒業後すぐに就職するなど経済的に自立している場合は、もはや養育費は不要ですし、また20歳を過ぎている場合でも大学に在学中ということであれば、引き続き支払いを求めることができると考えられます。
いくらもらえる?
養育費の支払い額・方法等については、まず夫婦の話し合いで決めることが前提です。
話し合いで決めることが出来なければ、家庭裁判所に養育費請求の調停申立てをして決めてもらいます。
司法統計年報によりますと、実際に支払われる養育費の額として子が2人までの場合、月額4〜6万円が最も多いようです。
また、実際に裁判所が実務で用いている算定表もありますので、これらを参考に話し合われるのもよろしいかと思います。
参考 : 「離婚ナビ」 http://www.rikon-navi.jp/shiryou/santeihyou/youikuhi/index.html
上記算定表は、平成15年4月に東京・大阪の裁判官らを研究員とする「東京・大阪養育費等研究会」が提案し、その後の裁判実務等で広く用いられています。
一度決めた額を変更することは可能か?
誰しも預言者ではないので、将来何が起こるかなど分かりません。離婚の際に決めた養育費は、将来これだけの費用がかかるということをあらかじめ予測した概算額ですので、後発的な事情によって養育費の額を増減したり、取り止めたりすることは場合によって認められます。以下、後発的な事情として考えられる場合を挙げてみますのでご参照下さい。
- 大きな物価変動があった
- 子の進学などで、学費が増えた
- 支払う側や受け取る側に大きな収入の変化があった(失業、収入の増加・減少など)
- 離婚後に一方が再婚した
など
養育費Q&A
再婚すれば、養育費を支払う必要はなくなりますか?
夫婦が離婚しても、親子の関係が切れてしまうわけではありません。たとえ別れた妻が再婚した場合でも、子供の父親であることに変わりはないので、引き続き夫は子のために養育費を支払い続けなければならないのです。ただし、妻の再婚相手には安定した収入があり、妻と実子も同居し扶養してもらっているなどの理由で、養育費減額の申し入れをすること自体はもちろん可能です。
養育費の支払い義務を果たさない相手に対して、何か有効な手立てはありますか?
離婚の際に公正証書(強制執行認諾文言付き)を作成していれば、それを根拠に相手財産に対する強制執行(差し押さえ)が可能です。もし、公正証書等を作成していない場合であれば、家庭裁判所に対し調停を申し立てた後、履行勧告(相手に養育費を支払うように助言・指導・勧告すること)や履行命令(相手に養育費の支払いを期限内に行うように命令すること)といった手続きを利用することも可能です。しかし、まずは夫婦間の話し合いの時間を設ける努力をしてみることが重要です。
過去の未払い分の養育費を請求することは出来ますか?
離婚の際に養育費の支払い条件について取り決めをしていた場合は、過去の未払い分を後から請求することも可能です。
協議離婚の際に、母である私が子供を引き取り、子供の父(前夫)に対して今後養育費は一切請求しないという取り決めをしましたが、その後の生活事情などによりできるものなら請求したいと思います。認められるでしょうか?
養育費はそもそも子どものために支払われるものです。たとえ夫婦間で養育費を請求しないとの取り決めがなされていたからといって、子の請求権までもが消滅してしまうわけではありません。本来は子自身が有する権利ですので。しかし、やはり離婚時の合意内容が最優先されなければならないという趣旨から、それが認められるためには、合意内容が子供に大きな不利益をもたらすような場合などに限られるとしています。仮に請求が認められても、過去の分をも含めて請求することは困難でしょう。
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